031332 ランダム
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まろとの別れ



1991年9月





その日は突然やってきました。



予防接種を済ませ

避妊手術の事をお医者さんに相談しました。



大きさから言って春頃生まれて、丁度6~7ヶ月だろうとの事だったので

手術の日を決め、予約をしました。



手術当日は鳴きもせず暴れもせず

おとなしく連れていかれました。



・・・それが最後の姿でした。



簡単な手術だけど一泊入院という事だったので

買い物をして帰宅したら電話がかかってきました。



「まろちゃんですが、麻酔の注射をしたところ容態が急変して亡くなってしまいました」



え?なに?・・耳を疑いました。



病院に着くと、まろは静かに横たわっていました。



手術前だったのでお腹を切られる事もなく綺麗な姿だったのが

せめてもの救いでした。



麻酔によるショック死との事でした。



泣き崩れる私に代わって、夫がかなり強い口調で

お医者さんに説明を求めていました。



「ちゃんと検査をして手術に臨んだのか」


「容態が変わったとき、きちんと処置を施してくれたのか」



お医者さんは誠意をつくしてくれたんだと思います。



だけど何を言われてもどんなに謝ってもらっても

もうまろは帰ってこないのです。



手術なんてしなければ良かった。


外に出す事なんてなかったのに

なんで手術を受けさせてしまったんだろう。


せめて手術が終わるまでどうして傍にいてあげなかったんだろう。



あなたは家の子になって幸せだったの?



生まれてたった半年しか生きられなかったまろが可哀想で申し訳なくて

自分を責め続けました。



たった2ヶ月だったけど

時間にはかえられないくらい沢山の想い出をくれたまろ。



かしこい子だったから、もしかして自分の命の短さを知っていて

最後に私達を選んでくれたの?



もっともっと一緒にいたかったのに。



もっともっと幸せにしてあげたかったのに。



最後に苦しい思いさせちゃってごめんね。



一番辛い時に傍にいてあげられなくてごめんね。



まろ、あなたのことは一生忘れないよ。



私達のところに来てくれて、本当にありがとう。





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